おやのことば 5月2日

もう私と同じくらいの背丈になった長男が、まだ2歳くらいのころの話です。

満月の夜空の下を一緒に散歩していたときに、長男が右手を大きく伸ばして、月をつかむ真似をしてみせました。幼い子供には、本当に月をつかめたように思えたのでしょう。驚いて口を大きく開けています。笑いながら空の満月を指さすと、私も一緒になって月をつかむしぐさをしてみせました。

以来、長男が小学校に入るころまで、天気の良い日の夜には、二人で月をつかむ真似をして遊んだものです。

「何にも知らん女一人。何でもない者や。それだめの教を説くという処の理を聞き分け」

原典を学んでいると時々、このときのことを思い出します。

教祖は、人や本から学んだ知識や知恵ではなく「月日のやしろ」としての立場から、真実の教えを私たちへ伝えてくださいました。原典やひながたの中では、この世界の真実と人間のあるべき生き方を教えていただいています。

しかし、平易な言葉で伝えられている教えを身に付けるのは、決して容易なことではありません。「八つのほこり」を暗記することはできても、毎日の生活の中で「ほこり」を積まずに暮らすことは難しい。

まずは今日できることから、親神様の思召に近づく努力を重ねていきたいものです。(岡)

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