おやのことば 4月25日

子供たちが外出し、珍しく夫婦二人だけになったので、久しぶりに私が昼食を作りました。有り合わせの食材を炒めて、パスタと絡めただけの簡単な料理ですが、これがなかなかいけます。妻も「おいしい」と言ってくれました。

二人で食卓を囲んでいると、結婚当初を思い出します。

当時、時々作っていたメニューを思い返しながら、「いつも『おいしい』と言ってくれてありがとう」とお礼を言うと、「ほかの人が作ってくれた料理は何でもおいしい」という返事の後に「でも、本当のことを言うと、あれはおいしくなかった」と続きました。

肉類が苦手な彼女にとって、私が独身時代から好んで食べていた脂っこい料理は、かなりつらかったそうです。それでも、いつもニコニコしながら残さずに食べてくれていました。

「心というは皆一名一人の心がある」

どうやら当時の私は、自分が好きな料理を食べて自分だけが満足し、相手の本当の気持ちまでは考えていなかったようです。

自分が満足したことや納得したことを、ほかの人が同じように受け入れるとは限りません。人の好みや考え方は千差万別。まず、相手の立場に思いを馳せる想像力が必要でしょう。そのうえで、じっくり相手の気持ちを聴く姿勢が大切です。

また一つ、妻から人間関係の基本を教わりました。(岡)

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