久しぶりの大雪になり、窓から眺める景色はすべて真っ白な雪に覆われています。
深々と降り続く雪を眺めていると、雪国で育った子供のころの記憶がよみがえってきます。確か、中学1年生のころの出来事です。
当時は、バスケットボール部に所属していました。でも、その日は雪のために、予定していたランニングを中止し、理科室でミーティングをすることになりました。体育館は、ほかの運動部が使っています。
このとき、つい調子に乗って、机に大きないたずら書きをしてしまいました。もちろん内容は、たわいないものです。
「後で後悔せにゃならん。悔んだ処がどうもなろまい」
ところが、数日後に全校生徒の朝礼があり、理科室のいたずら書きが話題になりました。それほど大ごとになるとは思いもしなかったので、「思い当たる人は前に出て謝りなさい」と言われても、結局、名乗り出ることはできませんでした。いまでも、あのとき謝らなかったことを後悔しています。
なぜ、こんなに昔の出来事をいつまでも覚えているのでしょうか。きっと過去の出来事は、過去のそのときにしか清算できないからなのでしょう。しばらく経って理科室を訪れたとき、机の落書きはすべて消されて、きれいになっていました。でも、心に残ったわだかまりは消えません。苦い思い出の一つですが、大切な教訓の一つだとも思っています。(岡)