高校受験を控えた長男は、アメリカで生まれました。当時、私たち家族は、家の中では日本語で会話をしているのに、外ではすべて英語でした。そのせいか、長男が2歳くらいのころは、日本語と英語が混同したような、奇妙な言葉をよく使っていました。
そのころの話です。
喉を通りそうな小さい玩具を口に入れたりしたときに、それを取り上げながら強く叱ると、いつも泣きながら妻のところへ行って「パパわるいことした」と報告するのです。
こちらは誤飲を心配して厳しく叱っているのですが、本人は砂場で友達に玩具を取られたときと同じように感じていたようです。
「めん/\の親が言う事に、悪い事言う親はあろうまい」
ある程度の会話ができるようになってからは、叱るときも、できるだけこちらの気持ちを伝えるように心がけてきました。ただ、そうすればするほど、しつけのために叱っているのではなく、ただ感情的に怒っているケースが少なくないことに気づくようになります。「あなたのためだから」という言葉は、心の中でつぶやくことはあっても、なるべく口にしないように気をつけています。
この世界と生命の始まりのときから、私たちの姿を見守り続けてくださる親神様のように、本当の意味での「親心」をもって、人に接する生き方を目指したいものです。(岡)