久しぶりに、故郷の街並みをゆっくり歩きました。
改札の駅員に切符を手渡して、昔ながらの駅舎の外へ出ると、懐かしい風が吹いています。遠くに見える山の姿や空の色は、子供のころと少しも変わっていません。しかし、駅前の再開発が進み、街の景観はすっかり変わってしまいました。
老舗のそば屋もおいしいソフトクリームの店も、なくなりました。漫画を立ち読みしてよく怒られた本屋さんもありません。少し寂しい気もしましたが、新しくなった広い通りを歩いていると、いまもこの街で暮らしている人たちの活力を感じて、こちらの足取りも軽やかになってきました。
「その日/\の心だけではどうもならん。将来の心を治めてくれ」
新しい街並みに古い建物が混在している通りを歩いていると、まるで子供のころに夢見た未来の街を歩いているような錯覚にとらわれます。未来を夢見ることはできても、正確に予測することはできません。でも、現在をより良く生きる努力を重ねていけば、必ず、充実した未来の姿を見ることができるのです。
新しい通りの先に見える古びた市役所の建物は、この次に故郷を訪れる日まで残っているでしょうか。どちらにしても、この街を支えている人々が、いまよりもっと素晴らしい景観をつくってくれるはずです。 (岡)
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