災救隊 台風被害地 伊豆大島へ

■2013年11月7日

島民の生活復旧に尽力 災救隊・東京教区隊

10月中旬、全国各地を相次いで襲った大型台風。10月16日には、台風26号が関東地方沿岸に接近し、一部の地域で河川の氾濫や土砂災害などが起きた。 こうしたなか、災害救援ひのきしん隊(=災救隊)東京教区隊は、最も大きな被害に見舞われた東京都大島町(伊豆大島)へ出動。10月22日から24日にかけて1次隊が、11月4日から6日にかけて2次隊が、それぞれ島内の現場に駆けつけ、家屋に流入した土砂の搬出などに力を尽くした。

静岡県の伊豆半島から南東へ約25キロの海上に位置する伊豆大島。 世帯数4800戸、人口8000人ほどの同島では、10月16日未明から激しい雨が降り続き、24時間の降水量が観測史上1位となる800ミリを記録。豪雨による土石流災害が各所で相次いで発生し、死者35人、行方不明者5人、床上・床下浸水36棟、家屋損壊87棟という甚大な被害に見舞われた。 東京教区隊は、16日中に現地の被害状況を確認し、翌17日に、先発隊が伊豆大島へ赴き、町役場と折衝。社会福祉協議会から救援要請を受けた。 22日午前6時、長野吉晴・災救隊本部長と隊員20人は、客船で伊豆大島に到着。結隊式の後、独自に調達した資材を車に乗せて現場へと向かった。 災救隊が任された作業は、民家などに流れ込んだ土砂の搬出。三つの班に分かれた隊員たちは、土砂をスコップで土嚢に詰め込み、一輪車で運び出した。 この日、「台風27号が伊豆大島を通過する見込み」との報道を受け、2次災害を防ぐため、隊員たちは家屋の周りに土嚢を積み上げる“擁壁作り”にも取り組んだ。 翌23日は、伝統製法で塩作りをしている製塩工場で実動。工場の入り口付近に堆積した約15平方メートルの土砂を、1日がかりですべて取り除いた。 この1次隊では隊員延べ53人が出動。このほか、近隣教区の教友有志も駆けつけ、工場と民家5軒で土砂の搬出などに従事した。

(2013年11月6日記)

[隊員たちは、被災した工場や民家で土砂の搬出に従事した(10月23日、大島町で)]