〝天理柔道の申し子〟頂点に立つ 親里で優勝祝賀パレードも 天理大職員・穴井隆将選手(4・29、5・3)

■2009年5月14日

〝天理柔道の申し子〟が日本柔道界の頂点に立つ–体重無差別で柔道日本一を競う「全日本柔道選手権大会」(主催=講道館、全日本柔道連盟)が4月29日、東京・日本武道館で開催され、天理大学職員の穴井隆将選手(24歳)が初優勝。国内外の5大会を連続優勝して臨んだ今大会で、一気に日本重量級のエースへ躍進した。  

 その年の〝日本最強〟を決める場として特別視する選手も多いこの大会。  6度目の出場となった穴井選手は、昨年11月の講道館杯から今年4月の全日本選抜体重別まで5大会連続優勝。現在、100キロ級の世界ランキング1位を独走しており、今大会も優勝候補の一角に名を連ねた。  1回戦では、世界一の経験がある泉浩選手(26歳・旭化成)に逆転勝ち。  圧巻は準々決勝から。過去の対戦で一度も勝てなかった強敵・鈴木桂治選手(28歳・国士舘大教員)に、開始27秒で「背負い投げ」を決めると、続く準決勝でも、昨年の同大会で敗れたベテランの生田秀和選手(30歳・綜合警備保障)に開始1分1秒「内股すかし」で連続一本。初の決勝へと駒を進めた。  相手は、世界選手権で優勝2度の棟田康幸選手(28歳・警視庁)。穴井選手は、序盤から足技などで果敢に攻めるも、返し技で先に「有効」を奪われる苦しい展開となった。  しかし、ここから執念を見せ、疲れの見える相手を怒涛の攻めで追い込んでいく。  防戦一方の相手の姿勢に「注意」が宣告され、ついにポイントで並ぶ。なおも最後まで攻めの姿勢を貫き、判定勝ちを収めた。

 なお3日には、親里で優勝祝賀パレードが催され、穴井選手は天理駅前から本部神殿まで行進。その後、神殿前で行われた優勝報告会では、「皆さまの温かい応援のおかげで、自分の力以上のものを発揮できた」と謝辞を述べるとともに、今後の決意を力強く語った。

(天理時報5月10日号「話題を追って」で詳しくご覧いただけます)