
子供たちが中学生と高校生になって、少し寂しく感じることは、彼らと手をつないで外出する機会がなくなったことです。
幼いころは、外出時にはいつも手をつないでいました。特に、多くの人が集まる場所へ行ったときや、横断歩道を渡るときなどは、お互いの手にいつも以上に力が入ります。温かく柔らかい小さな手を引いて、一緒に歩いているうちに、親としての自覚がだんだんと育ってきたような気がします。
「皆手を繋ぎ、これでこそと、早く繋ぐの理を運ぶよう」
手をつなぐことは、人と人とのつながりを最も強く感じる行為の一つです。大切な約束を交わしたときや契約が成立したときには、たいてい握手をします。遠く離れた場所へ旅立つ友人を見送るときは、いつもより固く手を握り合うでしょう。
サッカーのワールドカップで日本チームが得点すれば、思わず隣に座っている人と手を取り合って喜びます。相手の心の中を知ることはできなくても、人は手をつなぐことで、互いに共感し合うことができるのです。
つないだ手から伝わる温もりは、人間が一人ではなく、多くの人と支え合って生きていることを教えてくれます。
新婚のころは、妻と手をつないで外出することもありました。さて、久しぶりに声をかけてみましょうか。(岡)