おやのことば 6月25日

「過去は振り返るもので、未来は先を見据えるもの」

こうした考え方は、私たちになじみのあるものですが、世界には、反対に未来は後ろにあって、過去のほうが前にある。こうしたイメージを持つ人もいるそうです。

過去は知ることも調べることもできる。だから、目の前にある。しかし、未来は誰にも見ることはできない。だから、後ろにある。そう言われてみれば、こうした考え方にも一理あるというべきでしょう。

普段はすっかり忘れてしまっていますが、私たちは、一瞬先に何が起こるかも予測することはできません。昼食のために外出し、渡った横断歩道の上で、交通事故に遭うかもしれない。その一方で、テーブルの上に放っておいた宝くじが、当たっているかもしれません。未来を予測できないからこそ、人生の楽しみもあり将来の不安もある。

「案じて案じ、案じには切りが無い」

まだ決定されていない未来は、決して予測できないものであると同時に、これから変えていくことも可能です。現在の年齢や置かれている状況、立場などにかかわらず、どの人にも無限の可能性が開かれている。しかし、その可能性は常に、何も決定されていないという不安と表裏の関係にあります。

可能性が無限にあるからこそ、先の不安にも限りがないといえるでしょう。だからこそ、確固たる生き方の指針が必要とされるのです。人間思案から来る「案じ」の心で通るのではなく、親神様の御守護にもたれ切って、現在とこれからを楽しんでいく。こんな生き方を可能にしてくれるのが、この道の信仰なのです。(岡)

ページの先頭へ