
高校1年生の初夏のことです。突然、くしゃみと鼻づまりが続くようになり、時々、涙も出るようになりました。あまりに鼻水が出続けるので、病院を受診すると、「アレルギー性鼻炎」と診断されました。原因は「よく分からない」とのことです。
それまで鼻炎で苦しんだことはなかったので、地元の北海道を離れ、関西で高校生活を始めたことも一因だったのかもしれません。
「身の不足思うて尋ねる処、諭し置こう。身はかしもの、心一つ我がものと」
当時、花粉症という言葉は一般的ではなく、病名のある病気でもないのに薬をのむことには抵抗感がありました。処方された薬は机の上に置いたまま、なるべく「病気ではない」という意識で暮らすうちに、自然と症状が軽くなっていったことを覚えています。
以来、毎年同じ時期に鼻水と涙に悩まされてきましたが、いまも病気だとは思わないようにしています。近年では、これは年中行事のようなもので、自分の体調を確かめる良い機会だと考えています。
症状はいつも同じでも、その年によって状態はさまざまです。自分の体調を知るための親神様から与えられたチャンスだと思えば、鼻水が出るのもあまり苦にならなくなるから不思議です。
この原稿も、ティッシュで鼻先を押さえながら書いています。今年の体調は、どうでしょうか。(岡)