おやのことば 10月22日

季節の変わり目には、時々「しゃっくり」がなかなか止まらず、苦労することがあります。「ワッ」と大声を掛けたり、砂糖をなめたりといろいろ試してみますが、どうも効き目がない。そのうちに、何かの用事をしていてしゃっくりのことを忘れてしまうと、いつの間にか自然に治まっています。

こんなことがあると、自分の体は決して自分の意志だけで動かしているのではない、という当たり前の事実に、あらためて気付かされます。もしかすると、この広い世界には、自分の意志でしゃっくりをコントロールできるような達人が存在するかもしれません。とはいえ、少なくとも私には、自分の意志でしゃっくりを始めたり、止めたりすることはできない。

今、この瞬間にも心臓が鼓動を続けていることを考えるなら、自分の体を自分の意志だけでコントロールできないということは、むしろ当然のことだといえるでしょう。しかし、この当たり前の事実に目を向けることが、人間思案に浸っている私たちには、極めて難しいのです。

「人間というものは、身の内かりもの八つのほこり、この理を分かりさいすれば、何も彼も分かる」

膨大な量の「おさしづ」の中でも、特に何度も繰り返して心に治めてきたお言葉の一つです。きっとその理由は、多くのお言葉の中でも殊に忘れやすく、何かあるたびに思い返して、反省する機会が少なくないからでしょう。(岡)

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