おやのことば 3月21日

訳あって最近、久しぶりに電車通勤し、夕方に帰宅する日が続きました。片道の乗車時間は、ほぼ1時間。同じ時間帯に同じ電車に乗り、車窓に映る同じ景色を眺めていると、昨日も今日も同じ出来事が繰り返されているような感覚になります。

若いころは、繰り返される日常に嫌気が差して「どこかへ行ってしまいたい」と思うことがよくありました。自転車で西日本を一周したり、海外へ留学したり……。いつも、何か非日常的なものを求めていたような気がします。

それでも、結婚して子供に恵まれ、子供たちの成長する姿を見守りながら年齢を重ねていくうちに、繰り返しの毎日を無事に暮らせることの素晴らしさに気づくようになりました。

「一つ今日はよかった。又明日々々という。万事その理に留まる」

同じ毎日が続くように思えたとしても、昨日と同じ今日が繰り返されることはありません。今日と同じ明日が来ることもありません。今日、何かつらいことがあったとしても、明日は何かが変わります。

また、昨日と同じように充実した一日を過ごすためには、今日を精いっぱいに生きる姿勢が必要とされるでしょう。

こんなことを考えながら電車に乗り込むと、偶然、知人と出会って話が弾みました。やはり、昨日と今日は同じではありません。

今日も、一日を「よかった」と思える日にしたいものです。(岡)

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