ひのきしんスクール講座「『障がい者ファミリー』に寄り添う~親なきあとをどう支えるか」開催
ひのきしんスクール運営委員会(橋本武長委員長)は11月26日午後から27日にかけて、ひのきしんスクール講座「『障がい者ファミリー』に寄り添う~親なきあとをどう支えるか」を、おやさとやかた南右第2棟3階で開催し、24人が受講した。
本講座は、障がいのある方を支える親や家族が「親なきあと」に備えるための基本的な考え方や制度について学び、「障がい者ファミリー」が安心して暮らしていくために、教会やおたすけ人がどのように寄り添っていけるかを共に考えるもの。
初日は、開講後に横山治明氏(ひのきしんスクール運営委員)による「ひのきしんとは」の講話を通して、ようぼくとしての基本姿勢である「ひのきしんの態度」を確認し合った。
その後、障がいのある双子の息子を育てる当事者の立場から「親なきあと」の備えについて、複数の立場でサポート・支援活動を行っている芳賀久和氏(「親なきあと」相談室関西ネットワーク相談員)が、「親なきあとをどう支えるか」と題し、生活・就労・お金の面から、社会保障や諸制度について具体的に解説し、何をどのように備えるかを示した。
休憩をはさんだ後は、芳賀氏と、重度の障がいを持つ医療的ケア児の父親でもある辻真一氏(甲京分教会長、ひのきしんスクール運営委員)が、あらかじめ用意した質問をもとにトークセッションを行い、活発に意見を交わした。最後は、会場の受講生からの質問に、芳賀氏が丁寧に答えた。
2日目は、山崎栄喜氏(南本郷分教会長、ひのきしんスクール運営委員)が「家族へのおたすけと法律知識」と題して、障がいのある方が親なきあとも自分らしく生きる上で必要なことや、活用できる制度について、弁護士資格を持つ立場から①お金②住まい③生活に分けて講義した。講義の後半では、教会やようぼくがどのようにおたすけできるのかについて、自教会でのおたすけの事例を挙げて語った。
そして最後に、家族ごとに状況は異なるものの、教会やようぼくが親神様・教祖のお働きに導かれながら共に歩むことの大切さを伝え、締めくくった。
その後は辻真一氏が司会を務め、山崎栄喜氏、梶本たけの氏(本部婦人、わくわくホーム代表)、新田恒夫氏(蘇我町分教会長、スペース海代表)の3氏が登壇し、パネルディスカッションが行われた。障がいのある子どもの成長に伴い、乳幼児期、学齢期、18歳以降に分けて、親が「抱え込む」関係から「託す」「見守る」「つなぐ」関係へと移行していく流れの中で、その延長線上にある「親なきあと」のテーマに沿って進められた。
親や家族にとって大きな不安を伴う問題であるが、さまざまな制度や相談窓口を知り、早めに準備を進めていく必要があることを確認した。また、おたすけを進める上でも、現実にある悩みや支援者としての寄り添いのヒントを共有することができた。
最後に新田氏は、おたすけの現場において、支援する側が既存の制度や障がい者観を当てはめるのではなく、一人ひとりのニーズにどのように応えていくかがポイントであり、その姿勢が問われている、と語った。
「親なきあと」の問題はケースこそ一人ひとり異なるが、いつか必ず直面する課題である。受講生はそれぞれ自分の状況に照らし合わせながら、真剣に受講していた。
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