ひのきしんスクール講座「カウンセリング~聴くことの大切さ~」開く

■2023年9月11日

発信者:ひのきしんスクール

ひのきしんスクール運営委員会(村田幸喜委員長)は8月26日、27日の2日間、ひのきしんスクール講座「カウンセリング~聴くことの大切さ~」を、おやさとやかた南右第2棟3階で開催、23人が参加した。

この講座は、傾聴をはじめとするカウンセリングの基本的な考え方と技術を学び、ようぼくが悩みを持つ人の相談を受けるようなおたすけの場面に活かしていくことを目指していくもの。

初日は、天理よろづ相談所病院で公認心理師、臨床心理士として勤務している宇田まゆみ氏(敷土分教会教人)が「カウンセリングに学ぶ“聴く”とは?」と題して講義。信仰者としてカウンセリングを学び、実践してきた中での自身の気づきを入り口に、“聴く”ことの意味について解説した。宇田氏は、「聴いてもらうという体験が安心感につながる」とし、特に聴き手は「相手のもつ力を信頼して、解決しようとするよりも、分かろうとすることが大切」と語った。

写真①

その後、天理大学教授、同大学院臨床人間学研究科長で、公認心理師、臨床心理士の千原雅代氏が「カウンセリングの基本」と題して講義。専門的な基礎知識を解説する中で、カウンセラーの基本姿勢として大切な「共感的理解」について色々な事例を紹介しながら、その難しさを説明。さらにワークを通して、具体的な相談場面での反応を丁寧に紹介することで、相談者のSOSを受け止める際に気をつけるポイントを解説した。講義の最後に千原氏は、聴き手側のメンタルヘルスにも言及し、自分自身も相談する機会を持ち、多角的な目で自分の関わり方を検討していくことの重要性を強調した。

写真②

2日目は、「心理支援ネットワークてんり」事務局長で公認心理師、臨床心理士の東井申雄氏(教会本部青年)が「傾聴の実際」と題してロールプレイ演習。演習に先立つ講義では、「傾聴に役立つコツ」を12点のポイントに絞って紹介。東井氏はまず、人と出会う時の「誠の心」を道の先人の姿勢を例に挙げながら説明。聴き手が「自分の思い込みに気づくことが大切」とした上で、「傾聴の枠組み」や「聴き方」を解説。それから、受講者は3人ずつのグループに分かれてロールプレイ演習を体験した。

写真③

その後、保護司、養育里親、京都市子育て支援員、不登校対応講座講師・相談員として多様なカウンセリングの場面を持つ辻真一氏(甲京分教会長)が「おたすけに活かすカウンセリング」と題して講義。実際のおたすけ現場での失敗談や不登校支援の実践などを紹介しながら、教会長として“聴く”ことで意識していることを発表。その中で、自身の子供が難病で医療的ケア児であることから医療的ケア児等コーディネーターとして活動していることにふれ、「言葉を出せない子たちに対しても、こちらの心が受けとめようとする心さえあれば、寄り添うことができる」と強調。「だから、悩みごとを言葉で相談できる人は、それだけで結構」と力強く語った。

写真④

最後に、宇田、千原、辻の3氏と、山﨑石根氏(ひのきしんスクール運営委員)によるパネルディスカッション「おたすけとカウンセリング」が持たれた。 受講者からの質問用紙に答える形で進められたこの時間では、2日間の講義内容を深めるような活発な意見が交わされた。 また、両日ともプログラムの最後には受講者同士がグループに分かれ、「ふりかえり」を実施。2日目の最後には、講座全体を通して感じたことを語り合い、各々が今後のおたすけに活かしていくことを誓い合った。

写真⑤

写真⑥