
人間創造の元の地点
創造説話「元初まりの話」は、こう始まります。
『この世の元初まりは、泥の海でした。神様は、そのさまを味気なく思われ、人間を造り、その陽気ぐらしするのを見て、ともに楽しもうと思いつかれました』
人間は、そもそも仲良く陽気に暮らすために創造された存在で、人生の目的は「陽気ぐらし」にあると明かされています。
創造主である神様のお名前を、「天理王命(てんりおうのみこと)」と申します。私たち人間を生み育ててくださった親なる神様という意味で、「親神(おやがみ)様」とお呼びします。
そして人間創造の際に、最初に宿し込まれた地点を「ぢば」と言います。
現在その地点には、人間創造の元なる地点の証拠として「かんろだい」が据えられ、礼拝の目標としています。
親神様は、この「ぢば」にお鎮まりくださっています。
「ぢば」は、すべての人間の魂の故郷。「ぢば」を訪れることを、里に帰る意味を込めて「おぢばがえり」と言います。
「ぢば」の一帯は、もとは大和の国の庄屋敷村(しょやしきむら)(現在の天理市三島町)という小さな村でしたが、やがて多くの人々が寄り来るようになり、今では「親里(おやさと)」と呼び親しまれています。
人間創造の元の場所である聖地「ぢば」を中心に、天理教教会本部の神殿が建っています。
どなたでも自由にご参拝いただけるよう、本部神殿は365日24時間開かれています(夜間は南礼拝場からご参拝ください)。
拝観料、事前申し込みは不要です。受付窓口はございませんが、参拝者の方にご利用いただける「インフォメーションセンター」があります。
神殿での参拝の後は、「教祖殿」「祖霊殿」と回廊づたいに巡って参拝できるようになっています。
神殿では、毎日のおつとめ、毎月26日の月次祭などが勤められます。
神殿を四方から取り囲む四つの礼拝場は、合わせて3157畳の広さがあり、月に一度の祭典日には、多くの参拝者で埋めつくされ、境内地いっぱいにあふれます。
親神様の啓示(おつげ)を受けて、人間が生まれてきた意味を伝え、「ぢば」を明らかにしてくださったのが、教祖(おやさま)・中山みき様です。
教祖は、明治20年、五十年のひながた(人間の生き方の手本)を残して、お姿をお隠しになりましたが、魂は今も存命で、人類の救済にお働きくださっています。
神殿の北側にある教祖殿は、存命の教祖(おやさま)のお住まいです。
今も日々の食事など、身の回りのお世話をしてお仕えしています。
教祖殿も神殿同様に、どなたでも参拝することができます。教祖殿は夜間は戸締まりをしますが、回廊からの参拝は可能です。人々の平癒を願い、深夜に参拝する方も少なからずおられます。
本部の祖霊殿では、教えを広め人だすけに尽くした方々をお祀りしています。ここでは、先人の生前のご苦労を偲び、遺徳をたたえてお礼を申し上げています。
神殿と東西南北の礼拝場、教祖殿、祖霊殿を結ぶ回廊は1周約800メートル。階下には、随所にトイレと車いす用エレベーターが設けられています。回廊の山なりの部分の階下は、通路(楼門)になっています。