天理大学英語教育研究会第15回研究集会

■2021年11月8日

発信者:天理大学

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天理大学を卒業した英語科教員らを中心に構成される、天理大学英語教育研究会の第15回研究集会(共催:天理学園英語教育連携会議第1回研修会)が10月30日、オンラインで開催され、現職の小学校、中学校、高校、大学の英語科教員と教員を目指す本学学生、合わせて35人が参加しました。

英米語専攻では、この研究会を英語科教員養成の教育の一つの柱としており、コロナ禍の今年度はオンラインでの実施を計画。北海道や福島県など遠方に住む現職の教員も参加したほか、アメリカ、ブルネイに留学中の在学生も参加できました。

第一部は本学英米語専攻出身の吉田健悟教諭(奈良県立奈良南高等学校教諭)と岡田真悟教諭(天理高等学校第一部教諭)による実践発表が行われました。

吉田教諭は「ICTを用いたライティング指導」と題して、スマートフォンやパソコンを用いた教室でのライティング指導の取り組みについて、実際の授業動画を用いた報告を行いました。
また、自身の基本姿勢として、生徒の発言を否定せず、まずは受け止めるという「ポジティブフィードバック」の姿勢で取り組んでいることを説明した上で、生徒たちが自分で調べたことをGoogle Document等のアプリで他の生徒と共有し、クラウド上で能動的に意見を発信する取り組みについて説明しました。

 

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続いて登壇した岡田教諭は、「ガイドラインに沿った目標設定と実践を通して見えてきた課題 −理想と現実−」と題し、チームティーチングで行っている授業の活動について報告を行いました。
そのなかで、天理高校では天理学園英語教育の連携活動の一環として取り組んでいる、小中高一貫の到達目標表(天理学園英語教育到達目標表:T-SEEGs)に基づいて授業が行われていることを説明。その上で、授業計画と実践、インタビューテストの方法に至るまでをワークシート等を用いながら詳細に紹介しました。

 

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第二部では、奈良教育大学大学院の前田康二教授を講師に迎え、「小学校の教室から、小・中・高の英語授業を考える −誤り訂正やコミュニケーション意欲を中心に−」と題して記念講演を実施しました。
前田教授は、自身が考案し、小学校で実施した「ブレンディッド・ラーニング」について説明。従来の一斉対面授業とICTの活用、ペア活動、個別対面指導をひとつのユニットとして適切に配置した授業形態によって、生徒、教員ともに英語を用いたコミュニケーションに対する不安の軽減、意欲の向上が見られたことを報告しました。
また、誤用に対する明示的訂正フィードバックは小学生にも有効な指導になりうることを指摘し、小学校での研究成果に基づいた中高における授業研究の必要性についても示唆しました。

 

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今回の企画は、天理小学校、天理中学校、天理高等学校の英語教育連携会議の研修会としても位置付けられており、天理学園の英語教育の強みを発信する機会となりました。「天理大学英語教育研究会」は、天理大学の英語科教員養成、現職教員の研修を支える大切な会として、今後、継続・発展させる予定です。

 

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