企画展「物部氏の古墳 杣之内古墳群」開催

■2021年7月16日

発信者:天理参考館

87_poster    藤原さんトーク

天理参考館では第87回企画展「物部氏の古墳 杣之内古墳群」(共催:天理市教育委員会)714()より開催。715()には「物部氏の巨大古墳 塚穴山古墳とその周辺」と題して、藤原郁代・参考館学芸員によるトーク・サンコーカン(講演会)を実施しました。

藤原学芸員は冒頭、「教会本部周辺の布留遺跡は古代豪族・物部氏が拠点を置いた地であり、古墳時代には石上神宮で役目を持つ氏族であったことが『日本書紀』に記されている」と述べ、大型の居館跡や出土品を画像で紹介しました。続けて、布留遺跡は道具を自己生産する自立した集落であり、朝鮮半島から人が来るほどの集落であったことを説明しました。

その後、展覧会の内容にあわせて、時代順に「西山古墳」「小半坊塚〈こはんぼうづか〉古墳」「東天井山・西天井山古墳」、物部氏の首長墓と考えられる「西乗鞍古墳」「小墓〈おばか〉古墳」「東乗鞍古墳」の概要を紹介しました。

特に、天理参考館で昭和39年に発掘調査した「塚穴山〈つかあなやま〉古墳」の歴史について、「明日香の石舞台古墳に匹敵するほどの石室を持つ大和最大級の円墳。物部氏の権勢を物語る巨大古墳だが、鎌倉・室町時代では墓地として再利用され、その後は実態不明となっていた。この発掘調査で塚穴山古墳の歴史がわかった」と述べました。

最後に、「杣之内火葬墓から中国唐代の海獣葡萄鏡が出土したことから、物部氏の子孫が奈良時代に入っても高位につき、勢力を存続させていたことがわかる」と締めくくりました。

なお、本展は96()まで開催します。詳細はこちら

【展示風景】

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