おやのことば 11月12日

人の忠告を素直に受け止めるのは難しい。特に、夫婦や親子、兄弟といった身近な人の忠告や意見などは、受け止める側に甘えがあるからでしょうか、正しい見解だと感じている場合でも、つい反発してしまう。ある程度の年齢になってからは、そのようなことも少なくなりましたが、今度は自分の子供が成長してくると、あらためてコミュニケーションの難しさを感じることがあります。

人生の行路においては、思う通りにならない事態や大きな壁に直面することも少なくありません。時には、これまでの自分の在り方を根底から見直して、方向を変えていく必要に迫られることもあるでしょう。しかし、他人の客観的な意見を素直に聞き入れ、心の向きを変えていくことは決して容易ではない。そんなときに、振り返ってもらいたいお言葉です。

「たんのうの心神に供えてくれ」

他者の意見を素直に受け入れられないときには、神殿に足を運び、親神様・教祖の前にぬかずいて、もう一度その意見を心に反芻してみる。そうすると、一時は反発したはずの言葉の内容が、今度は素直に受け止められる。若いころには、そんなことがよくありました。

人の意見に納得して、現状を受け入れていくことができない、そういうときもあるでしょう。しかし、「たんのう」は親神様の「受け取る」心の在り方です。ただ、自分を抑えて現状に満足するのではなく、親神様の守護に満たされた世界の中で、生かされて在ることの喜びと感謝の心が自然にわき上がってくるとき、初めて新たな世界が開けてくるのです。(岡)

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