おやのことば 6月14日

少し前に注文していた、新しい事典が手元に届きました。

分厚い本を二つに割るようにしてひもとくと、なんとも言えないインクの香りがします。子供のころから、この香りが好きでした。

新しい分野の勉強を始めるときには、まず基本的な事項を書き連ねた事典類を読み、基礎的な用語や考え方を身に付けることが大切です。

この場合、最初から最後まで一気に読みきるよりも、毎日少しずつ読み進めるほうが効果的なようです。

かつては就寝前に歯を磨きながら、約1年かけて1冊の事典を読み通したこともありました。

家族をはじめ、周囲の人たちには、全く無駄な努力に見えるようですが、実際にはとても効果があります。

最初は理解できなかった専門書の内容が、だんだん霧が晴れるように”見えてくる喜び”は、なんとも言えないものがあります。

「日々勤め小さいようで大きい。何とも無く思えば何でも無い。何でも無いもの大切の理に運んでくれる」

なんでもない毎日の小さな積み重ねが、大きな喜びの種となる。このことは、人間のあらゆる営みに共通するような気がします。

つまずきかけたときには、足元を見直しましょう。「何でも無いもの」の大切さに気づくと、進むべき道が見えてきますから。 (岡)

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