おやのことば 1月17日

「おはよう、おやすみ」。毎朝、わが家で交わされる奇妙なあいさつです。

小学生の娘は、朝早く起きて勉強することを日課にしています。日の短い冬場は、まだ夜の明けないうちに起き出して、眠い目をこすりながら机に向かっています。定められた分量のテキストの学習を終えると、朝食の時間までもう一度、寝床に入って仮眠を取ります。だから、「おはよう」と「おやすみ」のあいさつが一つになっているのです。

一つの瞬間の意味が、その捉え方によって変わってくるのは、大晦日の年越しによく似ています。過ぎ行く年の終わりの瞬間が、新しい年の始まりになる。

よく考えてみると、人生はこうした「終わり」と「始まり」の連続で成り立っているのかもしれません。

「今年一月古き新しいという。年が更わる、春になる」

朝晩の冷え込みはさらに厳しさを増しているのに、新年を迎えると、不思議と春が近づいているような気がしてきます。

数日前に降り積もった雪は、まだ解けずに残っています。でも、冬枯れした草木の下では、すでに無数の新芽たちが旬の訪れを待ちわびているのです。

もうすぐ春が来ます。妻が手入れをしている小さな花壇には、今年はどんな花が咲くのでしょうか。色鮮やかな草花に囲まれて、ゆっくりくつろぐ時間がいまから楽しみです。(岡)

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