おやのことば 7月17日

梅雨明けの青空の下、ある場所で草刈りの手伝いをしました。重度の心身障害のある人たちの施設です。

毎年、草刈りや清掃のために訪問していても、入所されている方たちと実際にコミュニケーションを図るのは難しい。言葉やアイコンタクトといった、一般に使われる方法が通用しないケースが多いからです。

それでも、毎日生活を共にしている職員の方々は、言葉も身ぶりも通じない相手と心を通わせています。そのためには、ただ身の回りの世話をするだけではなく、一日に何度も声をかけ、体に触れて刺激し、相手の反応を引き出して、その意味を確かめる。こうした地道な働きかけを、長年積み重ねる必要があるそうです。

「人の心程難しいものは無い」

普段の生活の中では、それほど相手の反応に心を配ることはありません。言葉や身ぶりを使ったコミュニケーションが容易な相手とは、意思の疎通ができていると考えがちです。

それでも、相手の細かな反応や表面には表れない思いへの配慮を怠ると、思わぬ勘違いや失敗をすることも少なくありません。特に、親子や夫婦といった身近な間柄では、細かな配慮がなくても、相手の気持ちはよく分かっていると思ってしまう。小さなすれ違いも長年積み重ねると、大きな溝になることがあります。

やはり、いつも相手の気持ちを確かめる意識が必要ですね。(岡)

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