急いでいるときは、決して慌ててはいけません。時間が迫っている場合であるほど、むしろ慎重にならないと、かえってタイムロスになることがあります。
先日も本部神殿前で、危うく大けがをするところでした。
始業前の参拝を終えて時計を見ると、もうすぐ1時限目の授業が始まる時間です。急がないと間に合いません。小走りで階段を駆け下り、石畳の辺りで立拝して振り向いた途端に、ちょうど同じタイミングで歩いてきた年配の男性とぶつかりそうになりました。
驚いて立ち止まろうとしたために足が滑り、大きく転倒しそうになりましたが、目の前で男性が優しく手を添えてくださいました。ほとんど触れたか触れないか程度でしたが、おかげで体勢を整えることができました。
「互い/\手を繋ぎ道を通れば、一寸もう夜を明ける道である」
あのとき、この男性が横に避けていれば、私は大けがをしていたかもしれません。自分も一緒に転ぶ可能性があるのに、手をそっと差し伸べてくださったおかげで、けがをせずに済みました。
相手に手を差し出すのか、それとも横に避けるのか、判断に苦しむ場合もあるでしょうが、結果はどうあれ、いつも互いに手を添え合いたいものです。
その場では、ゆっくりあいさつを交わす余裕もありませんでしたが、本当にたすかりました。ありがとうございます。(岡)