おやのことば 3月30日

「あなたの夢は何ですか?」。卒業と入学が続くこの時期になると、あちこちで交わされる会話の一つです。

いつごろから、「夢」と「将来の目標」あるいは「人生の目標」が、同じような意味で使われるようになったのでしょう。詳しいことは分かりませんが、若いころから、あまり気乗りのしない話題の一つでした。

というのも、この「夢」という言葉の意味が分からず、悶々としていた青年期に、この道の素晴らしさを体感する経験をし、自分自身の「夢」が、本当に夢のような大きなものに膨らんでいったことがあるからです。あるとき、七夕の短冊に「世界中の人が幸せになりますように……」と書いて、怪訝な顔をされたこともありました。

「人間の一生の事は急いてはいかせん。末代の道やもの」

人生の目標は、それぞれに与えられた徳分を生かして、毎日の地道な努力の積み重ねのうえに実現していくべきものです。そして、「月日のやしろ」である教祖を通して、この世界の真実を教えていただいた私たちには、もっと遠大で、必ず実現しなくてはならない「夢」があります。

この春、新たな人生の門出を迎える若者たちには、忘れないでいてほしい。人生の本当の意味は、人間の目から見た成功や失敗を超えたところにあるということを……。親神様の思召の実現を自分の「夢」としていく限り、人生に挫折はないのですから。(岡)

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