おやのことば 3月18日

洋風のダイニングテーブルで食事をしていると、肘をついて食事をする子どもの姿が気になります。私たちが幼いころに囲んでいた卓袱台では、肘をついて箸を持つことなど不可能でしたが、大人用のダイニングテーブルは、小学生の身長には少し高すぎるのかもしれません。

食事のたびに指摘を繰り返し、時には声を荒げることもありますが、あるとき風呂上がりにビールを飲んでいると、逆に娘から注意を受けました。気がつかないうちに、片肘をついてグラスを傾けていたようです。他人の行いはすぐ目につきますが、自分の行いについては、つい見過ごしてしまう。子どもにマナーを諭す前に、まず自らのあり方を問い直す必要があるようです。

「人に諭す処、銘々の身の行いと言う」

人は鏡に映しだす以外に、自分の姿を見ることはできません。いつも目に入ってくるのは、自分以外の他者の姿です。他人の行いを評価する前に、その姿を通して、自分自身を省みる姿勢を忘れてはならないでしょう。このような意識をもった人の助言や忠告は、きっと相手の心にも素直に伝わるはずです。

気持ち良さそうに寝息を立てている子どもの寝顔を見ながら、自らの成人の鈍さを反省する毎日です。(岡)

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